今回は「嫌われる勇気」のブックレビューをします📚
言わずと知れたビジネスマン向け自己啓発本として有名な「嫌われる勇気」ですが、今回あえてこの本を選んだ理由は
子育てや夫婦関係(さらには人間関係全般)の悩みと向き合うヒントを与えてくれる本だからです
ぜひ子育てに忙しいお父さんお母さんでも一度は読んでほしい一冊です
(少なくとも僕はこの本に出合って、今までの考え方が変わって世界の見え方が一変しました)
※AmazonはKindle版なのでご注意ください。(書籍版もリンクの中で選択できます)
本の系統と読みやすさ
本の系統
(ハウツー)★★★★★(マインド)
具体的な事例に対する個別の処方箋(ハウツー)ではなく、アドラー心理学を通した「悩み」との向き合い方を示したマインドセットを目的とした一冊です
読みやすさ・分かりやすさ
(読みにくい)★★★★★(読みやすい)
難しい教科書的な内容を覚悟しましたが、実際読んでみると中身は小説仕立てで、驚くほどスルスルと読めてしまいます
この本はあくまでアドラー心理学の実践本という位置づけなのですが、こういった専門書によくある難しい言い回しや専門用語は一切なくて、とても簡単な言葉で書かれています
基本的には主人公の「青年」と「哲人」の対話形式で物語が進んでいき
(以降ネタバレになりますが)
自分に自信がなく人生に悩む青年が街はずれにの風変わりな哲人の書斎を訪れるところから物語がスタートし、哲人との対話を繰り返しながら、意固地で後ろ向きだった青年が最後には希望を見出せるようになる・・・
といったお話です
登場するのは上記の「青年」と「哲人」の二人だけなんですが、青年の悩みやコンプレックスの一つひとつが僕らが抱きがちなそれとオーバーラップするところがあり、読者である僕たちはいつの間にか登場人物の「青年」に感情移入しながら読み進んでいくことになります
文量(ボリューム)
(少ない)★★★★☆(多い)
分量としてはもともと自己啓発本なのでやや多め
子育ての合間に読む本としてはちょっと分量は多いかも知れません
あと、小説仕立て(ストーリーの中でアドラー心理学の神髄を理解していく本)なので、どうしても頭から通しで読まないと理解できない部分があり、気になるところだけつまみ読みができないのが難点です
ただ一方で決して難しい本ではないのでサクサクと読み進められ、思ったよりもボリュームを感じません
内容
本の大事な内容をポイント3つにまとめました
ポイント1:原因論ではなく目的論
まず、人間の思考や人格、感情(さらにはコンプレックスやトラウマ)には全て「原因」があるというごくごく自然な考えを一刀両断・真向否定します
そうではなく、思考や人格、感情は(コンプレックスやトラウマすらも)何らかの「目的」の為に創りだマヤカシだと考えます
これだけでも既に何言ってるか良くわからないと思いますが、これが結構重要!
大丈夫。この本の前半部分までを読み進めれば自然と腑に落ちて理解できます
ポイント2:課題の分離(他人は他人、自分は自分)
次に「人間の悩みは100%すべて対人関係」と断言します
その上で僕ら悩みに苦しまないためには「他人は他人」「自分は自分」と「他人」と「自分」を明確に区別することが基本と説きます
要するに人の痛みまで自分で背負い込んではいけない。人がどう感じるか・どう思うかなんて一切考える必要はない。人が感じる痛みや苦しみは「その人」が何とかすべき「課題」
一方で自分が感じる痛みや苦しみは全て自分の責任で自分でどうにかしなきゃいけない「課題」
と言うように「他人の痛みや苦しみ(=課題)」と「自分の痛みや苦しみ(=課題)」は完全に切り離すべきと説明します。
ポイント3:嫌われてもいいから自分に素直に生きよ
この本の究極的に言いたいことはここに集約されます
自分と関わる全ての人に嫌われないように生きてくのは絶対に不可能で、自分が自分らしく生きている限り誰かには好かれるし、一方で誰かには必ず嫌われる
だからこそ「誰かに嫌われながら生きていくんだ、でもそれでいいんだ」とまさに「嫌われる勇気」をもつことが人生をラクに、シンプルに生きる極意としています
感想
イマイチ)★★★★★(オススメ)
正直かなり過激で始めは到底受け入れられない厳しい事も書いています
ただ一方で、読み進めていくうちにちゃんとそれらの本質が理解できる内容になっていて、最後まで読み切った時には決して荒唐無稽な話ではなく、合理的かつ実際的なことを言っていたと分かります
さらにこの本の後半部分では、子育てや子供との接し方・家族の関係や在り方についての議論もされていて、まさに僕ら父親母親こそが読むべき本と感じました
実は続編もあります。もし気になった方はこちらも是非読んでみてください
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